映画館だよ、ワトソン君

[書評] 『オールバックの放送作家――その生活と意見』

Posted in 書評 by cinefil221b on 2010/03/06

『オールバックの放送作家――その生活と意見』(高橋洋二、国書刊行会、 2009)を読んだ。

オールバックの放送作家――その生活と意見 (単行本)
4336050856
評価:★★★★★

放送作家である高橋洋二さんを知ったのはポッドキャスティング「TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(2009年8月22日分)の「映画館特集」だ。

TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル: サタデーナイト・ラボ
http://www.tbsradio.jp/utamaru/labo/index.html

高橋さんは映画を年に200本観るすごい人として尊敬しており、実は僕も今年は200本を目指していたりする。高橋さんも「200本が壁」と言っており、それ以上観るのは普通の人はキツいそうだ。

「映画館ガイド」というコラムを目当てにこの本を買ったんだけど、その他の部分にも映画館話が出てくるし、普通にエッセー本として面白すぎる。そして、「あるある~」や「わかる~」がいっぱいあって、読んでいて非常に楽しい。映画館に対する態度はかなり僕と考えを共有する部分があってうれしかった。

p31 「知り合いの20歳の男で『映画館は大きい音がするのでこわくて行けない』という者がいる。」

これは分からなくもないなあ。シネコンの巨大スクリーンで低音で座席が震えると、ちょっとこわさがある。あるいは、アクション映画で高音がやたら大きくて耳が痛くなることがあり、映画館に耳栓を持参しようかと考えることもある。その点、ユナイテッド・シネマ豊洲はスクリーンが非常に大きいわりに音がマイルドだからいい。

p42 「私はこういった、力の入った『バカみたいなこと』に弱いのだ。」

僕は世界のナベアツとさんとかは最初はバカだなーと思っていた。だけど、あのバカバカしいことを思いっきりやるすがすがしさにだんだん好きになった。

p76 「タバコに限らず、今の世の中は『人をイライラさせる者』と『人にイライラする者』の二極化が進んでいるのは明らかで、二十年前に発生したウォークマンのヘッドフォンの音もれ問題が、メーカー側の音のもれないハード作りにより収まりを見せたと思ったら、さらにやっかいな携帯電話という『本人には便利、人のは不快グッズ』の四番打者みたいなのが出てきて、えらいことになっている。」

これは『人生の教科書 [よのなかのルール]』を読んだ後だと、日本社会が成熟した市民を育てる土壌がないってことと繋がっていると考えてしまう。

p85 「ホント風のうそというのは瞬発的な笑いに結びつきにくく、バカみたいに一発でわかるうそを、もっともらしい物腰で言うと有効であると分かった。」

僕はホント風のうそが多いから笑いが取れないだなと気づいた。もうちょっと分かりやすくしないとね。

p87 「私はわざと敷居を高くしているようなところを秘かに支持している。」

これはTOHOシネマズ六本木ヒルズのことを言っている。割引が少ないことを少ないのを褒めているコンテクストなんだけれど、僕も賛成。割引があると普段映画を観ないような人が来て映画館の客の質が下がるんだよ。逆に高いお金を払ってまで観に来るような客はまともな客のはず。

p88 「顔写真入りのパスポートが発行され、08年の1月、7本の映画を無料で観た。9000ポイント超えを知ったときは興奮したが、シネコンの1か月無料って、それほどすごくないってことが判った。」

これはTOHOシネマズ六本木ヒルズのシネマイレージが9000マイル貯まって1か月無料鑑賞のパスポートをもらったときの話。僕もせっかく9000マイル貯めても結局3本しか観なかった。

p146 「そこそこ忙しくても映画は観ることができる。」

そう。本当に映画が好きなら時間はいくらでも作れるんだよ。

p161 「映画は観れば見る程、新たな観る動機も発生する。例えば一月に観た『カミュなんて知らない』(監督・柳町光男)で黒木メイサってすげえ可愛いなと思えば、新作を観るのは当然で、六月に『着信アリFinal』、十月に『ただ君を愛してる』を観るわけだ。」

シリーズ繋がり、女優繋がり、監督繋がり・・・、映画を観る動機はいくらでも生まれる、観れば観るほど。

pp166-167 「渡辺 [・・・]夫婦の距離感はどんな感じなんですか。
高橋 仲はすごく良いですよ。毎晩、映画とお笑いの話をしてます。あと彼女も単独行動派なんですよ。最初は映画も一緒に観ていたんですけれど、彼女も自分と同じくらい本数を観るし、同じくらい忙しいので、お互いがお互いのスケジュールで観るというスタイルになりましたね。映画館でばったり会うということがしょっちゅうあります。
渡辺 渡辺さんとしては楽なスタイルなわけですね・・・・・・それは世間とかけ離れているという感覚はお持ちですか(笑)。
高橋 世間はどうかは知らないけれど、これが我々のスタイルだということですね。
渡辺 でも、相当いい関係ですよね。」

これは高橋さんと世界のナベアツこと渡辺鐘さんの対談だ。いいなー、こういう夫婦。僕も一人が多いから単独行動派なんだけど、結婚してもべったりするよりも、ほどよく単独行動を維持したいと思う。複数行動はスケジュールを合わせたり、行動の好みを合わせたり、いろいろと厄介なんだよ。だからこそ、僕は単独行動派の女の子が好き。そういう子を見かけるとにキュンときちゃうし、「がんばれ!」と思う。

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One Response

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  1. [...] 高橋洋一さんも『オールバックの放送作家』の中でこの映画館を勧めていた。行きやすいし、たいてい空いているし、近くに温泉もあったりするし。ユナイテッド・シネマは豊洲もそうだけれど、多少不便な場所にあるからこそあまり混雑しないからいい。 [...]


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